自動車保険が高い人は、車両保険を取ることで3万円程度安く出来ます。
では、車両保険はとってしまっていいのでしょうか?
結論から言って取って大丈夫です。以下、解説します。
車両保険とは?
車両保険とは、自分の車が壊れた時、盗難されたときに使える保険です。例えばこんなときに使えます。
- 車が盗難にあった
- 車同士の交通事故で壊れた
- 自分で運転して電柱にぶつけた
- エンジンが壊れて全損になった
- バンパーが壊れた
- ぶつけてボンネットが凹んだ
- 飛び石でフロントガラスにヒビが入った
- 台風・津波などの自然災害で車が水没してしまった
などなど、こんなときに保険金が支払われます。
あると便利な保険に思えますが、ちょっとまって下さい。
実際のところ、意外に使う機会がないんです。そのことを解説します。
車両保険は必要ない理由
車両保険は外そう。
これは意外に思われると思いますが、車両保険は不要です。 日本人の4割強の人が入っていますが、結局、つけるだけ損なんですね。その理由は以下です。
車両保険をつけるだけで保険料が高くなる
車両保険は補償が増えるので当たり前ですが、入るだけで保険料が高くなります。これがバカに出来ない高さなんです。
ちょっとこちらを御覧ください。
出典:NTTイフ
まったく同じ条件で、車両保険を外した金額が左、つけた金額が右です。
かなりの違いですよね。これを外すだけで年間2~3万円ほど変わってきます。バカに出来ない金額です。
事故を起こして保険を使うと、結局保険料が高くなる。
これ、たまに知らない人がいますが、事故を起こしたときに保険を使うと、保険料が上がります。
自動車保険は事故を起こすと「等級」が下がるようになっていまして、軽い事故なら1年。重い事故なら三年間、等級が下がり、その間、保険料があがってしまいます。
なので、事故があったとき、保険で補償してしまうと結局保険料が上がるんですね。この罠に気づいていない人が意外と多いです。
このことから、車両保険は使うと等級が下がってしまうので、使うタイミングがあまりないんです。使わないほうがお得なので。
■例えばの話
たとえば軽い事故の場合、バンパーが壊れた、少しボンネットが凹んだなど。その場合、車にもよりますが修理費はだいたい5万~10万の間に収まります。ですが保険を使うと、等級が下がります。そうするとだいたい1年~3年間の範囲で保険料があがり、結局ほとんど、修理費以上に保険料が高くなってしまう結果になります。
なので結局、軽い事故なら保険を使わずに5~6万ぐらいの修理費なら自分で払ってしまったほうがお得なんです。
全損事故の場合は?
では全損事故の場合はどうでしょう。例えば車が盗難にあった、またはエンジンが壊れて動かなくなった、物理的に大破してしまった、など。
この場合必要じゃないかと言われそうですが、この場合も新しい車を買えるだけの保険料は出ません。
例えば200万の車を買って、三年後に大破しました。それでも「車両保険に入ってるから大丈夫だ」と思うかも知れません。ですが、新車を買えるだけの保険代は当然出ません。出るのは、車の時価額。しかも時価額というのは、だいたい新車の値段から毎年20%程度下がっていきます。5年以上の中古車だと、ほとんど価格として評価されません。なので、充分な保険料は支払われません。
レッドブックで安く見積もられる
またこの「時価での見積もり」というのにもワナが。価値が一年で20%下がっていくのと同時に、この時価というのは、業者用の安い価格で見積もられてしまうんですね。僕達が車の販売店で見る価格とは違います。なので、非常に安く見積もられがち。これを「レッドブック」といいます。
なので結局、もとの車を買い換えられるだけの充分な保険料は出ません。
車両新価特約をつけた場合は?
では「車両新価特約」をつけるのはどうでしょうか。車両新価特約をつければ、その時点で同じ車を買い換えられるだけの差分料が出ます。しかし、当たり前ですが、この特約をつけるとそれだけ保険料があがります。車が全損する可能性と、特約であがった保険料を毎年払い続ける可能性。それを天秤で考えるとなかなか難しい問題です。
相手の保険からも出る
しかも相手のいる事故の場合、相手からも補償が出るんですね。
例えば、自分で乗ってて電柱にぶつかって大破した場合なら仕方ありません。しかし、相手のいる事故であれば相手の保険からも補償が支払われます。必ずしも全額を自分で負担する必要はないわけです。
■僕の体験談
僕もですね。知り合いの車に乗っていて接触事故にあったことがあります(向こうからぶつかってきた事故でした).
確認するとバンパーに傷がついていました。その時の知人の第一声は「そっちの保険使ってくださいね!」でした。 つまり「まあ保険に入っているからいいや」と車が凹んだ部分を自分の保険で補償してしまうと、来年から自分の保険料があがってしまいます。
それが分かっているので、「そちらの入っている保険から、この凹んだ部分の修理費を払ってくださいね」ということでした。 相手方の保険から補償してもらうことで、自分の保険は上がらずにすむ。そういう事情からこの第一声が放たれたのでした。
自然災害に地震は含まれない
車両保険では、台風や洪水による損害は補償されますが、地震での損害は補償されません。
しかし、一部の保険会社では「地震・噴火・津波」に対応した特約が存在します。この特約を付ければ地震での損害をカバーできます。ただし、当然ながら保険料は上がります。そちらも検討して考慮ください。
まとめ
以上のことから、最終的な判断はもちろんおまかせするものの、僕は車両保険は不要だと思います。
▼車両保険がいらないと思う理由まとめ
- 車両保険をつけるだけで保険料が高くなる
- 事故を起こして保険を使うと、結局保険料が高くなるので結局損。
- 全損事故の場合でも全額は出ない。
- レッドブックで安く見積もられる
- 車両新価特約をつけると当然保険料はあがる。
- 相手のいる事故なら、相手の保険からも補償は出る
- 自然災害の補償に地震は含まれない
そもそも、車両保険は「修理代が払えない人を補償するためのもの」。 もしものときの修理代が払えないのに、車を買うというのは、かなり無理して良いクルマを買っている状態だと言えます。
結論として、車両保険に入るよりは「最低限の修理費を貯めておくこと」をおすすめします。そちらのほうが、長い目で見てお得と言えます。
というわけで、車両保険は簡単にはずせます。最近の自動車保険の見積もりは、車両保険を外した金額も簡単に出せますので(※保険会社によっては出ないところもあります。その場合は直接保険会社にお問い合わせください)ますは見積もりして、検討してみてください。